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魚の群れは、どうやって進む方向を決めるのか。鳥は、ほかの鳥から何を学ぶのか。アシュリー・ウォードの『ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ』は、動物の姿から、動物同士の関係へと目を向ける本だ。
出版社が公開する目次を見れば、その違いが具体的になる。魚を扱う章には集団の意思決定、鳥の章には社会学習、ネズミの章には仲間の存在とストレスの関係が並ぶ。種ごとの特徴を知るだけでなく、ほかの個体がいることで行動がどう変わるのかを、読む入口にできる構成である。
ここでいう社会性を、単に仲良く暮らすことだと考えると、題材の半分を見落としてしまう。公開目次には協力とともに、争い、序列、集団内の駆け引きも置かれている。集まることが助けになるのはどんなときか。反対に、同じ集団にいるから生まれる緊張とは何か。行動を「賢い」「かわいい」と一言で受け取る前に、その個体が置かれた関係を考えてみたくなる。
人間の集団を連想する題材は多い。ただ、魚群の意思決定と人間の会議を、似た言葉で語れるからといって、同じ仕組みだとは言えない。動物からすぐに人生の教訓を取り出すより、どんな観察から何が分かったのかを本文で確かめる。そこを読むための科学ノンフィクションとして、この本に関心を持ちたい。
736ページを、問いからたどる
紙の本は736ページ。厚さに身構えるなら、最初は気になった動物の章を選び、同じ問いが別の種ではどう扱われるかを見ていく方法もある。魚の集団に惹かれた人が、鳥や類人猿の関係へ進む。動物の名前だけでなく、知りたい問題を目印にすると、大部の目次にも道筋ができる。
アシュリー・ウォード著、夏目大訳、ダイヤモンド社刊。2024年3月発行、四六判並製、ISBN 9784478116289。電子版も案内されているが、紙版と一部内容が異なる場合があるため、購入前に選ぶ版の説明を確認してほしい。
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本記事は出版社の内容紹介・公開目次・書誌に基づく紹介です。個々の実験の結果や観察の詳細を、目次だけから断定していません。