「読者が決める大賞があってもいい」読書垢大賞に込められた思いを聞きました

「読者が決める大賞があってもいい」読書垢大賞に込められた思いを聞きました
この記事はだいたい 16 分前後で読めます。

本の賞は、誰のためにあるのでしょうか。

作家のため。
出版社のため。
書店のため。
そしてもちろん、読者のため。

本屋大賞は、書店員さんの投票で選ばれる賞です。

では、日々本を読み、感想を投稿し、誰かのおすすめから次の一冊に出会っている読者たちが選ぶ賞があってもいいのではないか。

そんな素朴で、けれど本好きにとってはとても大切な問いから生まれたのが、「読書垢大賞」です。

読書垢大賞は、読者が「その年に一番おもしろかった本」に投票し、読者の声で選ばれる本の賞です。

第一回となる2026年読書垢大賞では、村山由佳さんの『PRIZE-プライズ-』が大賞を受賞しました。

今回は、読書垢大賞の運営者様に、企画を始めたきっかけや、大切にしている思い、これから目指している形についてお話を伺いました。

読書垢大賞とは?

読書垢大賞は、Xで本の感想や読書記録を投稿している「読書垢」の読者たちが投票し、その年に一番おもしろかった本を決める企画です。

第一回大会では、99名が参加し、総投票数は251票

読書好きの声が集まり、X上でも大きな反響を呼びました。

既存の文学賞やランキングと違うのは、読者自身の「この本が面白かった」という実感が、そのまま投票につながっているところです。

権威や売上だけではなく、読んだ人の心に残った熱が、ひとつの賞として形になる。

そこに、読書垢大賞ならではの面白さがあります。

始まりは「読者が決める大賞があってもいいのでは」という思いから

Q. 読書垢大賞を始めたきっかけを教えてください。

実は前々から構想があった訳ではなく、思いつきで始めました。

本屋大賞が書店員さんの投票で決まる大賞なら、読者である読書垢が決める大賞があっても良いのではないか?

何より、私自身が読者が決める大賞が知りたかったからです。

独自調べですが、読者が決める賞というのが見当たらなかったため、半ば勢いで始めたのがきっかけです。

「読者が決める大賞があってもいいのではないか」

この言葉には、読書垢大賞の原点が詰まっています。

本の賞はたくさんあります。

けれど、日々本を読み、感想を交わし、ときには誰かの何気ない投稿から新しい一冊に出会っている読者たちの声が、ひとつの賞として集まる場所は、まだ多くありません。

読書垢大賞は、そんな読者の実感を形にしようとする企画です。

大きな看板から始まった賞ではなく、ひとりの読者の「知りたい」から始まった賞。

だからこそ、この企画には参加しやすさと、これから育っていく余白があります。

大切にしているのは「読者が一番おもしろい本に投票する」こと

Q. この賞で一番大切にしていることは何ですか?

何より読者が1番おもしろい本に投票して決める!という点は、今後も絶対にブレてはいけない軸となる部分だと思っています。

読書垢大賞の中心にあるのは、とてもシンプルな考え方です。

読者が、一番おもしろいと思った本に投票する。

文学的な評価、文章技術、構成の巧みさ、出版業界での話題性。

もちろん、本にはさまざまな見方があります。

けれど、読者として本を開いたとき、最後に残るのはもっとまっすぐな感情ではないでしょうか。

「面白かった」
「誰かにすすめたい」
「この本を読んでよかった」
「もっと多くの人に届いてほしい」

読書垢大賞は、その実感を大切にする賞です。

小さな読後感が集まり、ひとつの結果になる。

それは順位を決めるだけではなく、本との出会いを広げる営みでもあります。

なぜ読者投票なのか

Q. 読者投票という形にしている理由を教えてください。

読者が決める大賞があっても面白いのではないかという点と、何より私が一読者なので、皆さんが1番面白いと感じている本が知りたかったからです。

それに出版物の読み手のほとんどは、一般読者です。

作家の技術云々より単純に読者が面白いと感じる本が知りたいからです。

この回答から伝わってくるのは、読書垢大賞が「読者のための賞」でありたいという姿勢です。

本を読む人の多くは、専門家ではありません。

けれど、だからこそ生まれる言葉があります。

「難しいことは分からないけれど、この本が好き」

「読み終わったあと、誰かに話したくなった」

「この一冊を、もっと多くの人に読んでほしい」

そうした読者の声は、ときにどんな宣伝文よりも強く、本を次の読者へ届けます。

読書垢大賞は、その声を集める場所なのだと思います。

第一回大賞は、村山由佳さん『PRIZE-プライズ-』

第一回読書垢大賞で大賞に選ばれたのは、村山由佳さんの『PRIZE-プライズ-』です。

[ここに公式X投稿の埋め込み:得票数公開画像]

公開された得票数を見ると、第一回大会では99名の読者が参加し、総投票数は251票。

大賞の『PRIZE-プライズ-』は、40票を集めました。

順位 得票数 作品 著者
大賞 40票 『PRIZE-プライズ-』 村山由佳
2位 31票 『イン・ザ・メガチャーチ』 朝井リョウ
3位 30票 『熟柿』 佐藤正午
4位 28票 『イクサガミ神』 今村翔吾
5位 24票 『世界99』 村田沙耶香
5位 24票 『百年の時効』 伏尾美紀
7位 23票 『アフターブルー』 朝宮夕
8位 19票 『成瀬は都を駆け抜ける』 宮島未奈
9位 18票 『ジャガー・ワールド』 恒川光太郎
10位 14票 『ブレイクショットの軌跡』 逢坂冬馬

並んでいる作品を見ると、大きな話題作だけでなく、読書好きの間でじわじわ語られてきた作品も含まれています。

読書垢大賞の面白さは、ひとつの作品が選ばれることだけではありません。

そこに至るまでに、たくさんの読者が「この本が面白かった」と声を寄せたこと。

そして、その声によって本の名前がもう一度広がっていくこと。

本との出会いは、ランキングの一位だけにあるわけではありません。

二位にも、十位にも、あと一歩で届かなかった作品にも、誰かにとって忘れられない一冊があります。

大賞だけでは終わらない。「もう一つの名作」にも光を当てる

読書垢大賞では、一次投票で惜しくもノミネートに届かなかった作品も、「もう一つの名作」として紹介されています。

[ここに公式X投稿の埋め込み:もう一つの名作画像]

紹介されていたのは、以下の5作品です。

作品 著者
『暁星』 湊かなえ
『探偵小石は恋しない』 森バジル
『エピクロスの処方箋』 夏川草介
『踊りつかれて』 塩田武士
『ヤブノナカ』 金原ひとみ

この姿勢は、とても読書垢大賞らしいものだと感じました。

賞というと、どうしても大賞作品や上位作品に注目が集まります。

けれど、本の価値は順位だけでは決まりません。

あと少しでノミネートに届かなかった作品の中にも、もっと読まれてほしい本があります。

誰かにとっての大切な一冊があります。

投票結果だけでは見えない本にも光を当てる。

そこに、読書垢大賞が単なる人気投票で終わらない理由があります。

既存の文学賞とは違う、読者の声で育つ賞

読書垢大賞では、既存の文学賞や本屋大賞と比べてどう感じるかというアンケートも行われていました。

[ここに公式X投稿、または許可済みアンケート画像を挿入]

109件の回答のうち、
50.5%が「同程度に関心がある」
34.9%が「独自の視点として面白い」
11%が「既存の賞よりも関心がある」
と回答しています。

まだ始まったばかりの賞でありながら、読者の間で「自分たちの声が反映される賞」として関心を持たれていることが伝わってきます。

もちろん、既存の文学賞にはそれぞれの歴史や価値があります。

読書垢大賞は、それらと競うための賞というより、読者の視点から本の魅力をもう一度見つけるための賞なのだと思います。

専門家が選ぶ本。

書店員さんが選ぶ本。

そして、読者が選ぶ本。

それぞれの視点があるからこそ、本との出会い方は豊かになります。

読書垢大賞は、その中に「読者の声」という新しい入口を作ろうとしているのかもしれません。

今後は、より多くの読書垢が楽しめる賞へ

Q. 今後、読書垢大賞をどんな賞にしていきたいですか?

まずは読書垢の皆さんに、より多く参加してもらえるような魅力があり、楽しんでもらえる賞を目指しています。

行く行くは、授賞式などができるようにしていければと目標にしています。

読書垢大賞は、まだ始まったばかりの賞です。

だからこそ、これから参加する人の声によって、少しずつ形を変え、広がっていく余地があります。

いつか授賞式が開かれ、読者が選んだ本が多くの人に届くようになったら。

それは、本好きにとって、とても楽しみな未来です。

ひとつの投稿から始まった企画が、読者の参加によって少しずつ文化になっていく。

その過程を見られることも、読書垢大賞の魅力のひとつです。

参加する方へ伝えたいこと

Q. 参加される方に伝えたいことをお願いします。

読書垢大賞は、読書垢、つまり読者のための賞にしたいと考えています。

今後、より楽しんでもらえるようなルール作りや、公平性かつ信頼してもらえるような賞に、皆さんと一緒に育てていきたいと考えています。

もしご意見がありましたら、気軽にDMやコメントしてくれると嬉しいです。

読書垢大賞は、運営者だけで完成する賞ではありません。

本を書く作家がいて、その本を届ける出版社や書店があり、作品を読む読者がいる。

そして、読んだ本について語り合う場がある。

そのすべてがつながって、ひとつの賞が形になっていきます。

だからこそ、この賞は「参加する賞」なのだと思います。

投票すること。

感想を書くこと。

誰かの投稿を見て本を手に取ること。

そのひとつひとつが、読書垢大賞を育てていく力になります。

第一回大会に参加された皆さまへ

最後に、運営者様から第一回大会に参加された皆さまへのメッセージをお預かりしました。

第一回大会の投票にご参加いただき、ありがとうございました。

皆様が参加して頂いたおかげで、素晴らしい結果で終える事ができました。

この賞は、作家の先生方の作品があり、その作品を読む読者の皆様によって成り立ってる物だと強く感じています。

次回も開催しますので、是非ご協力いただけたら幸いです。

読書垢大賞は、読者の声から生まれ、読者の声で育っていく賞です。

「この本が好き」

「この作品をもっと読んでほしい」

「誰かの次の一冊になってほしい」

そんな思いが集まったとき、本はもう一度、新しい読者のもとへ届いていきます。

第一回の結果は、その始まりの記録です。

そして次回は、さらに多くの読者の声が集まる場になっていくはずです。

読書垢大賞の今後に注目したい

読書垢大賞は、まだ完成された賞ではありません。

けれど、完成されていないからこそ、読者の声で育っていく面白さがあります。

誰かが選んだ一冊が、別の誰かの本棚に届く。

何気ない投稿が、次の読書体験につながる。

本好きたちの声が集まって、ひとつの賞になっていく。

その流れは、とてもあたたかく、これからの読書文化にとって大切なものになるように感じます。

次回の読書垢大賞に参加してみたい方は、ぜひ公式Xをチェックしてみてください。

あなたが今年読んで「一番おもしろかった」と思う一冊が、誰かの次の一冊になるかもしれません。

本ブログの広告収入の一部を、本として寄贈する取り組みを行っています。

本との出会いが、ひとりでも多くの方に届くように。

読書垢大賞のような、読者の声から生まれる企画も、これから大切に応援していきたいと思います。

取材協力:読書垢大賞 公式X (@doksyoakaaward)
※本記事は、読書垢大賞運営者様へのDMインタビューをもとに作成しています。
※画像・投稿については、運営者様より掲載許可をいただいています。

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