開いた絵本と数冊の本を置いた机のイラスト

国際子ども図書館で絵本に出会う|大人が訪ねる前に知っておきたいこと

題名は忘れてしまったのに、絵だけは覚えている。ページのどこかにいた動物、何度も見返した場面、声に出すと調子のよかった言葉。子どものころの本は、あらすじより小さな断片になって、長く記憶に残ることがある。

東京・上野の国立国会図書館国際子ども図書館は、そんな本をもう一度探したくなったときに覚えておきたい場所だ。名前に「子ども」とあるけれど、大人も利用できる。懐かしい一冊を探す日にも、まだ知らない絵本を開く日にも役立つよう、公式の利用案内をもとに訪問前の確認点をまとめた。

大人も利用できる、児童書の専門図書館

国際子ども図書館が扱うのは、国内外の児童書と、その関連資料。入館、資料の閲覧、展示会の利用は無料で、子どものへやなどには利用手続きなしで入れる。一方、調査研究向けの児童書研究資料室は別の手続きが必要になる。まずは、何を読みたいか、何を調べたいかに合わせて利用する部屋を選ぼう。

個人への館外貸出しは行っていない。気になる本は館内で読むことになるので、見つける時間だけでなく、開いて読む時間も取っておきたい。題名、著者名、出版社を控えておけば、帰宅後に近くの図書館や書店で探せる。記憶にある一場面が、確かな書名になるだけでもうれしいはずだ。利用に関する詳しい案内

同じ題名でも版や形式が違うことがあります。探し直すときは、ISBNで本を探す手がかりも参考にしてください。

懐かしい一冊を探すなら、児童書ギャラリーへ

児童書ギャラリーは、明治から現代までの日本の子どもの本を紹介する常設展示室。児童文学や絵本の歩みをたどりながら、およそ1,500冊の展示資料を手に取れる。国語の教科書と、そこに掲載された作品を紹介するコーナーもある。児童書ギャラリー

本の題名を覚えていなくても、自分が小学生だったころ、好きだった絵の感じ、といった手がかりはある。懐かしい作品を見つけたら、記憶と違うところにも目を留めてみたい。覚えていたのはほんの一部で、その前後には忘れていた場面があるかもしれない。大人になって読み直す時間には、そうした発見も含まれている。

同じ作家の別の本へ関心が移ることもあるだろう。昔の一冊に再会するつもりで来て、次に読みたい本を知る。過去を振り返る読書が、そのまま新しい読書につながっていく。

世界の絵本は、絵から眺めてもいい

「世界を知るへや」には、さまざまな国や地域を知るための絵本や読み物が置かれている。外国語に訳された日本の子どもの本や、文字のない絵本を紹介するコーナーもある。子どものへや・世界を知るへや

知らない言葉が並んでいても、人物の表情や絵の色、ページの使い方から見始められる。文字の意味をすべてわからなければ開けない、ということはない。気になった見開きをしばらく眺め、前後の絵と比べてみよう。日本語で知っている作品なら、本の大きさや表紙にどんな違いがあるかを探すのもおもしろい。

一冊を読み切ることより、目が離れない一枚に出会うこと。その日の読書がそこで止まっても、十分に豊かな時間になる。

本と、建物を見る時間

図書館にはレンガ棟とアーチ棟があり、公式サイトでは建物や施設の特徴も紹介されている。レンガ棟を3Dビューで見られる「VRで探検!」も公開中だ。遠方から建物を見てみたいときや、来館前に様子を知りたいときに使える。建物の紹介

本も建物も見たいなら、それぞれに時間を分けておくと、どちらも急がずに済む。写真撮影の可否は、現地の表示と利用案内に従おう。誰かが本に向き合っている場所でもあることを忘れずにいたい。

出かける前に確かめたいこと

所在地は東京都台東区上野公園12-49。JR上野駅公園口から徒歩10分と案内されている。駅の出口を先に確かめておけば、そこからの経路もたどりやすい。交通手段・アクセス

開館時間は9時30分〜17時。休館日は月曜日、祝日・休日(5月5日は開館)、年末年始、第3水曜日。臨時の変更もあるため、出発前には公式カレンダーとお知らせを確認してほしい。開館日・開館時間

読みたい本が決まっている場合は、当日利用できるかどうかも事前に調べよう。所蔵されていても、すぐに見られるとは限らない。

昔好きだった本を探しに行く。知らない絵本を開きに行く。どちらの日にも、一冊をゆっくり眺める時間を残しておきたい。覚えていた絵と、初めて気づく言葉が、同じページに並んでいるかもしれない。

利用情報は2026年10月8日に確認した公式案内に基づきます。この記事は現地訪問記ではありません。最新情報は来館前にご確認ください。

この記事を書いた人 Wrote this article

綴 紫乃

綴 紫乃

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