深夜の公園で、二人が怪談を調べている。会社員の興家彰吾と、友人の福永葉子。七不思議をめぐるその時間に、説明のつかない出来事が入り込んでくる。
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の舞台は、昭和後期の東京都墨田区。実在する怪談「本所七不思議」を題材に、死者を蘇らせる秘術と、それを求める人々の思惑を描く群像ホラーミステリーだ。公式サイト
怪談の正体を知りたいという好奇心のそばに、誰かを取り戻したいという願いがある。同じ謎に近づいていても、一人ひとりがそこに懸けるものは違う。ここでは公式情報をもとに、結末や謎の答えを伏せたまま、物語を読む楽しさに目を向けたい。
七不思議へ向かう、それぞれの理由
興家と葉子が七不思議を調べる一方で、事件を追う刑事、友人の死を不審に思う女子高生、息子を失った母親も、それぞれの事情から怪談へ近づいていく。スクウェア・エニックスの作品紹介
「死者を蘇らせる」という言葉は、人によってずいぶん違って響くだろう。調べるべき事件として聞く人と、大切な相手を失った人。同じ情報を手に入れても、次に選ぶ行動まで同じとは限らない。
群像劇に惹かれるのは、そうした事情の違いをたどれるからだ。一人の願いに目を向け、次に別の人の立場を知る。誰かにとっての救いを、ほかの人はどう受け止めるのか。公式に示された顔ぶれだけでも、怪談の向こう側に、簡単には重ならない人生が見えてくる。
会話の一言に、耳を澄ませる
プレイヤーは複数の主人公を操作し、会話を通して情報を集める。呪いにはそれぞれ発動条件があり、相手の条件を探りながら、自分が罠にかからないように判断しなければならない。任天堂のゲームシステム紹介
なぜ、その話を今するのか。相手はどこまで知っているのか。言葉の意味を読むだけでは足りず、それを口にする意図も考えることになる。何気ない受け答えの中に、駆け引きが生まれる仕組みだ。
小説で人物の会話に立ち止まり、前のページを確かめるのが好きなら、この仕組みは気になるはず。自分で情報を拾って判断するため、文章を読む時間と、次の行動を選ぶ時間が近い。先を急ぎたい気持ちを抱えながらも、一言を読み飛ばせなくなるような設定である。
言葉の外にも、目を向ける
昭和の墨田区を表現する背景には、地域の観光課や郷土資料館などが協力している。360度カメラで撮影した風景をもとにした全天球背景を用い、探索では周囲を見回して、気になる場所を調べられる。メーカーによる紹介・Nintendo Store
怪談には、それが語られてきた土地がある。誰かの話を聞いたあとに周囲を見回すと、言葉で知った場所を、自分の視点でも確かめられる。文章を読むことに、空間を探す動きが加わるところも、本作を手に取る理由になりそうだ。
ただ眺める背景としてではなく、ここで何が起きているのかを考える場所として街を見る。物語に関わる方法が、ページを進めることから少し広がっている。
遊ぶ前に確かめたいこと
発売日は2023年3月9日。Nintendo Switch、Steam、iOS、Androidで配信され、いずれもダウンロード専売です。購入する機種のストアで、価格と動作条件を確認してください。製品情報
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公式ジャンルはホラーミステリーADV。CEROはD(17才以上対象)で、Steamの開発者説明には流血・暴力表現の案内があります。人の死を扱うため、怖い描写や重い題材への感じ方に合わせて選んでください。Steamの内容注意
七不思議の由来を追ううちに、そこへ近づく人のことも知りたくなる。誰が何を求め、どの言葉を信じようとしているのか。答えをまだ知らない時間に、その違いを一つずつ拾っていきたい。