開いた本と余白のあるノートに、鉛筆と淡い色の栞を添えたイラスト。

読書ノートの書き方:感想が浮かばない日でも残せる5つの項目

ノートを開き、書名の下に「面白かった」と書く。その先で、ペンが止まる。本の中ではあれほどいろいろなことが起きたのに、自分の言葉にしようとすると、うまく出てこない。

そんな日には、感想を完成させようとせず、本に戻るための手がかりを残してみたい。気になったページや、選んだ理由なら書けるかもしれない。ここでは、言葉に迷うときに使える五つの項目を紹介する。

書名、著者、日付だけでも始められる

まず書名と著者、読んだ日を書く。あとから探し直したい本なら、出版社や利用した図書館・電子書籍サービスも添えておこう。同じ本の記録を見つけられることが、最初の役目になる。

読み終える日まで待たなくていい。「十月七日、第三章まで」と、途中の場所を残すこともできる。一冊に一ページを使うか、読むたびに数行を足すか。書きやすい置き方を決めれば、あとは空いているところから続けられる。

感想の手前にある、五つの項目

1.手に取った理由

読み始める前、どこに惹かれただろう。「表紙の色が気になった」「友人が話していた」「旅の場面を読みたかった」。評価する言葉がなくても、選んだ理由なら残せる。

もう思い出せなければ、「選んだ理由は忘れた」でかまわない。次に買う本や借りる本から、その場で一言書いてみよう。あとで振り返ると、自分がどんな入口から本を選んでいたのかも見えてくる。

2.目が止まった場所

場面、見出し、ページ。好きかどうかは決めずに、引っかかった場所だけを記す。「第二章の待ち合わせ」とあれば、未来の自分はそこへ戻れる。

紙ならページ数、電子書籍なら章名や位置情報を添える。文字サイズなどでページ表示が変わる場合は、場面や見出しも書いておくと探しやすい。使った版が違えばページ数も変わるので、版の情報があると安心だ。

ISBNが付いている本なら、その番号も版を探し直す手がかりになります。番号の確かめ方は、ISBNを使った本の探し方を参考にしてください。

3.そこに書かれていたこと

本全体を要約しようとすると、書く量が急に増えてしまう。まずは気になった一か所だけを、自分の言葉で一、二文にしよう。

たとえば架空の小説なら、「待ち合わせの相手は来なかったが、主人公はそのまま町を歩いた」。ここでは起きたことを記す。「寂しく感じた」「なぜ帰らないのだろう」といった自分の反応は、次の項目へ分けておく。本の内容と、自分が受け取ったものを見分けるためだ。

4.自分の反応、まだ分からないこと

「好き」「意外」「よく分からない」。短い言葉でも、そのときの反応が残る。「この方法は今の暮らしでは難しそう」という迷いも、読書から生まれた一つの考えだ。

感情の名前が出てこなければ、何をしたかを書いてみる。「ここで読むのを止めた」「同じ段落を二度読んだ」。理由まで今すぐ説明しなくてもいい。答えの出ていない問いを、そのまま置いておけるのも自分のノートのよさである。

5.次に確かめたいこと

前の章を読み直す。出てきた地名を調べる。紹介された手順をもう一度見る。本から先へつながる動きがあれば、一つ書いておく。思いつかなければ空欄のままでいい。

実用書の提案を試すなら、「部屋を全部変える」より「引き出し一つで試す」と小さく決める。結果を書くために二、三行空けておけば、読んだときの印象と、試してから気づいたことを並べられる。

全部の欄を埋めなくてもいい

忙しい日なら、書名とページ番号だけでも記録になる。先ほどの架空の小説なら、「第二章の待ち合わせ。相手が来なかったあと、歩き始めた理由が気になる」の一行で、戻りたい場所は分かる。

あとになって思い浮かんだことは、日付を付けて足そう。最初の感想をきれいに直さなくても、そのときと今の違いを残せる。紙のノートを開く余裕がなければ、スマホへ短く記す方法もある。必ず清書すると決めず、最初のメモをそのまま記録にしてもかまわない。

本の言葉と、自分の言葉を分けておく

文章をそのまま残すなら、かぎ括弧で囲み、ページや章を添える。その下に「自分のメモ」と書けば、あとで読み返しても著者の言葉と混ざりにくい。長く写す代わりに、場所だけ記して要点を自分の言葉にする方法もある。

ノートをブログやSNSで見せるときは、私的な記録のうち、何を公開するかを改めて選ぼう。感想や要約を中心にし、引用を含める場合は公開前に引用の要件と出典表示を確認したい。

未来の自分が、また本を開けるように

選んだ理由、気になった場所、その内容、自分の反応、次の問い。五つを眺めて、今日書けるところを一つ選ぶ。

しばらくしてノートを開いた自分が、「あの場面のことだ」と思い出せる。そのための一行なら、まとまった結論がなくても残せる。ペンの止まったところから、まずはページ番号を書いてみよう。

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綴 紫乃

綴 紫乃

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