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料理の途中、レシピのページを開く。漫画を読んで、絵の隅に目を留める。難しい文章の前では、少し戻って同じ行を読み直す。
どれも「読む」という言葉で呼べるけれど、過ごしている時間はずいぶん違います。そんな身近な行為をあらためて問い直すのが、難波優輝さんの『本とは何か』です。
読むとき、私たちは何をしている?
本書は、読書を「パフォーマンス」として捉える視点から、本を読むとはどういうことかを考えます。冒頭の試し読みで著者が目を向けるのは、正しく理解するための技術だけでなく、読んでいるあいだに感じたり、考えたりすること。
ページをめくる手を止め、別の記憶が浮かぶ。そんな時間も、読書の一部として眺めてみたくなります。読了した冊数だけでは見えない、自分と本との付き合い方へ目を向ける一冊です。
漫画から、楽譜、積読まで
本書が扱うのは、小説や人文書、漫画、雑誌、楽譜、料理レシピ。楽譜を前にしたときと、物語を追うときとでは、「読む」の中身はどう変わるのでしょう。
積読や書店めぐりも考察の対象です。最後のページまで読み通すことに限らず、本を選び、そばに置く時間まで考えてみる。いつもの本棚を見る目も、少し変わりそうですね。
著者は、読書は無条件によいものなのか、という疑問にも向き合います。本が好きだからこそ、褒める言葉だけでは済ませない。その問いに惹かれたら、まず公式の試し読みを開いてみてください。
書籍:『本とは何か』難波優輝/新潮新書
ISBN:978-4-10-611128-0
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