灯りのともる図書室で、はしごに乗って本を手に取るフェオ

『超驚愕! 超短編ミステリー 神々の挑戦状』|どんでん返し20連発、伊坂幸太郎〈死神〉13年ぶりの新作も

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11月5日発売予定の『超驚愕! 超短編ミステリー 神々の挑戦状』は、人気ミステリ作家20人による掌編を集めたアンソロジー。文藝春秋によると、書店への刊行告知後に注文が殺到し、発売前重版が決まったといいます。

出版社が掲げるのは「どんでん返し20連発」。288ページの文庫に、20の物語が並びます。気になる作家の名前から開くか、目次の最初から順に挑戦するか。発売前から、どこから読もうか迷ってしまう一冊です。

もとは「週刊文春」のための書き下ろし

収録作は、20人の作家が「週刊文春」のために書き下ろした掌編です。出版社の紹介によると、本格推理からサスペンス、ホラーまで、ジャンルもさまざま。同じ「超短編ミステリー」の看板のもとに、幅広い作品が集まっています。

目次を眺めるだけでも、タイトルの振り幅に目を引かれます。芦沢央「待てば無料」、結城真一郎「親孝行代行」、今村昌弘「コックリさん」、夕木春央「尾長邸のエレベーター」。無料、代行、エレベーター。日常で見かける言葉が並ぶだけに、その先に何が潜んでいるのか想像が膨らみます。

〈死神〉シリーズ、13年ぶりの新作

目玉のひとつは、最後に置かれた伊坂幸太郎「死神が醜聞」。文藝春秋の発表では、〈死神〉シリーズ13年ぶりの新作です。

伊坂さんは、週刊文春に載る作品ということで、スキャンダルや週刊誌の記事が人間以外のものからどう見えるのかを考えながら、死神の千葉を再び書いたとコメントしています。千葉の目に、醜聞はどう映るのか。シリーズを知る人にとっても、この作品から出会う人にとっても、気になる一編です。

タイトルとコメントから見える、書き手の個性

麻耶雄嵩「世界の調和」は、ミステリ研に入って初めて発表した掌編を大幅に改造したものだといいます。作家の原点につながる作品が、時を経てこの文庫に収まっている。その来歴を知ると、タイトルにもいっそう目が留まります。

背筋「清潔だった公園」については、善意と執着の境界を問いかけるコメントが寄せられています。いつもの公園という身近な場所と、そこに重なる「清潔だった」という過去形。何気ない言葉なのに、少し気になります。

森バジル「これ、告げ口じゃないですから」は、作者が書いてみたかったという会話体小説。話し声が聞こえてきそうなタイトルとあわせて、どんな語りが待っているのか楽しみです。

執筆者のコメントは文藝春秋の発表で読むことができます。

書誌情報

  • 書名:『超驚愕! 超短編ミステリー 神々の挑戦状』
  • 著者:一穂ミチ、方丈貴恵、杉井光、井上真偽、山口未桜、澤村伊智、阿津川辰海、斜線堂有紀、麻耶雄嵩、井上先斗、原田ひ香、白井智之、森バジル、夕木春央、中山七里、芦沢央、結城真一郎、今村昌弘、背筋、伊坂幸太郎
  • 編者:文春文庫編集部
  • 出版社:文藝春秋(文春文庫)
  • 発売日:2026年11月5日
  • 価格:紙版825円(税込)/電子版800円(税込)
  • ページ数:288ページ(文庫判)
  • ISBN:978-4-16-792576-5

書誌情報:文春文庫公式ページ/文藝春秋プレスリリース

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※アイキャッチはAI生成のイメージです。作品の場面や書影を再現したものではありません。

最初の一編は、どの作家から

寝る前に一編、移動の合間にもう一編。目次を行き来しながら、好きな作家の隣にいる、まだ読んだことのない名前へ進んでみる。そんな読み方を選べるのも、20人が集まる一冊ならではです。

私ならまず「清潔だった公園」の過去形が気になるけれど、最後に待つ千葉にも早く会いたい。11月5日まで、最初に開くページを迷う時間も楽しんでおきます。

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綴 紫乃

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