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11月5日、原田ひ香さんの『図書館のお夜食』がポプラ文庫として刊行される。開館は夕方7時から夜12時まで。亡くなった作家の蔵書を集めた「夜の図書館」で、本を愛しながら本の仕事に少し疲れた人たちが働く物語だ。単行本で気になっていた人にも、文庫で初めて出会う人にも、先に知っておくと選びやすいことを、公式の情報から整理した。
夜7時から12時まで開く、「本の博物館」のような図書館
主人公の樋口乙葉は、書店員を辞めようかと悩んでいた。そんなとき、SNSで知った東京郊外の「夜の図書館」で働くことになる。開館時間は夕方7時から12時まで。蔵書は亡くなった作家のものが集められていて、出版社の紹介は、この場所を“本の博物館”のようだと言い表している。
昼の図書館とは時間も役割も違う場所で、乙葉は同じ図書館で働く人たちと過ごしながら、「働くこと」について考えていく。公式のあらすじが示すのはここまでで、乙葉が何を選ぶのかは本の中に残されている。
働く人たちは、みな少しだけ「本の仕事」に疲れている
ポプラ社の発表が挙げる主な登場人物は4人。乙葉は、“ある事件”をきっかけに、好きだった書店の仕事に身も心も疲れて夜の図書館を訪れた。マネージャーの篠井は、姿を現さないオーナーに代わって図書館を取り仕切っている、と紹介されるが、その先には含みが残されている。蔵書整理係の正子は、かつて没頭していた読書に徒労感を覚え、焦りを感じている。図書館員のみなみは、本の仕事にそれほど熱意を傾けられず、同僚たちとの温度差を感じている。
4人とも本が好きで、それでも本の仕事の中で、それぞれ何かを抱えている。公式の紹介を読む限り、この物語の中心は事件の謎解きよりも、「好き」だけでは続けられない仕事と、どう付き合うかにありそうだ。ここは紹介文からの私の読みで、作中でどう描かれるかは、本で確かめてほしい。
題名の「お夜食」と、同僚たちの距離感
ポプラ社は、同僚たちが「実在の本に登場する料理」のまかないを囲む場面があると紹介している。文庫の紹介文には、すべてをさらけ出さなくていい、ちょうどよい距離感で、おいしいご飯を食べながら語り合いたい夜がある、という趣旨の言葉がある。題名にある「お夜食」は、この物語の食事の場面と結びついているようだ。
どの本のどの料理が登場するのかは、公式の紹介では示されていない。ここでも触れない。読む前の楽しみとして残しておく。
文庫版の基本情報と、単行本との違い
文庫は2026年11月5日発売。ポプラ文庫で、343ページ、定価は924円(本体840円)。単行本は2023年6月の刊行で、税込1,760円だった。ポプラ社の発表によると、単行本は発売前に読書メーターの「読みたい本ランキング」単行本部門(日間、2023年5月17日〜23日)で第1位を獲得し、累計4万部を超えた。
文庫版に加筆や解説が付くのかどうかは、ポプラ社の公式ページでは確認できなかった。ページ数の違いは判型の違いによるところもあり、内容の違いは断定できない。気になる人は、書店で目次と奥付を見て確かめるのが確実だ。
文庫の初版には、物語にも登場する「夜の図書館」の年間パスポート風オリジナルカードが限定特典として封入され、裏面には著者のメッセージが掲載されている。初版限定のため、購入する時期や店によっては付かない場合がある。
文庫化記念のトークイベントについて
文庫化を記念して、原田ひ香さんと、紙上健吾さん(けんご)によるトークイベントが、2026年11月6日(金)19時から、東京・神田駿河台のオチャノバで開かれる。ただし参加は事前応募・抽選制で、募集は2026年10月18日に締め切られている。詳細はポプラ社のイベントページで確認できる。
こんな人に
- 好きな仕事に疲れて、少し立ち止まりたくなっている人
- 食事の場面が支えになる物語が好きな人
- 『三千円の使いかた』や『#台所のあるところ』の著者の作品を、次も読みたい人
働く人を描く小説をほかにも探している人は、働く人を描く小説4選もあわせてどうぞ。
夜の図書館で、仕事を少しだけ休む。そんな時間を、夜に少しずつ読み進める一冊として選ぶのも、この本には合っていると思う。
書誌情報(文庫版)
| 書名 | 図書館のお夜食(ポプラ文庫 は13-1) |
|---|---|
| 著者 | 原田ひ香 |
| 出版社 | ポプラ社 |
| 発売日 | 2026年11月5日 |
| ページ数 | 343ページ |
| 定価(税込) | 924円(本体840円) |
| ISBN | 978-4-591-19157-6 |
上の情報は文庫版のものです。単行本や電子版とは分けてご確認ください。価格は出版社の表示に基づき、購入時の価格や在庫を保証するものではありません。
出典
ポプラ社『図書館のお夜食』(ポプラ文庫)公式ページ、ポプラ社プレスリリース(2026年10月2日)、WEB asta「文庫『図書館のお夜食』スペシャルトークイベント概要」、Amazon.co.jp商品ページ(いずれも2026年11月4日確認)。本記事は公表された紹介情報をもとにした読書案内で、物語の結末や、公式の紹介にない展開には触れていません。
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