阿部智里さんの「八咫烏シリーズ」本編最終巻『玉座の烏』は、2027年5月に上下巻同時発売の予定です。2026年10月16日、文藝春秋「本の話」に掲載された著者コラムで発表されました。
当初の2026年内刊行からは延期になりますが、2か月続けて出るはずだった上下巻は、同じ月にそろうことになりました。今回の発表が扱うのは本編の最終巻です。外伝を含む、今後の刊行計画すべてが示されたわけではありません。なお、具体的な発売日と各巻の価格・ISBNは、2026年11月4日時点でまだ発表されていません。続報は文藝春秋の公式案内をご確認ください。
最終巻を待つ間、山内の物語をどこからたどろうかと迷ったら、まずは本編と外伝の並びを確かめてみてください。初めて読む方にも、アニメの先へ進みたい方にも選びやすいよう、刊行予定と読む順番をまとめました。結末や人物の重大な秘密には触れずにご案内します。
2026年内の連続刊行から、2027年5月の同時発売へ
4月3日の公式案内では、『玉座の烏』は2026年刊行、上下巻を2か月連続で届けると告知されていました。10月16日の発表で変わったのは、刊行時期と上下巻の発売間隔です。
新しい予定は「2027年5月・上下巻同時」です。
具体的な発売日、価格、ISBNは今回の告知には記載されていません。この記事では正規の予約ページも確認できていないため、『玉座の烏』の予約・購入先は案内せず、まずは公式発表へおつなぎします。
初稿は完成。上下巻あわせて700頁超の予定
著者によると、告知を書いた10月初旬には初稿が完成していました。ただし、初稿は編集者や校閲者からの確認・指摘が入る前の原稿です。本として手元に届くまでの作業は、ここからも続いていきます。
上下巻あわせて700頁を超える予定で、想定より分量も増えたとのことです。初稿が完成した時点で、その後の工程を経て年内に刊行することは不可能になっていた、というのが著者の説明でした。そのうえで、完成度を高めた形で届けるために力を尽くすとしています。
『玉座の烏』で完結するのは本編。第一部とは違う区切り
「八咫烏シリーズ」の本編は第一部・第二部に分かれ、ほかに外伝も刊行されています。第一部は『烏に単は似合わない』から『弥栄の烏』までの6冊ですでに完結しています。第二部は『楽園の烏』から始まり、刊行済みの最新作は『亡霊の烏』です。
『玉座の烏』は、第一部の後も続いてきた本編の最終巻という位置づけです。第一部の完結と、本編全体の完結では区切りが異なります。
2026年4月の公式案内で、阿部智里さんは新旧の世代が交わる物語になると説明しています。これまでの人物たちと、新しい時代を生きる人物たちがどう関わるのかも気になるところです。
これから読む人へ。宮廷の華やかさの向こうにある駆け引き
人の姿をとる八咫烏たちが暮らす異世界、山内(やまうち)。世継ぎの后を選ぶため、有力貴族の家から四人の姫君が集まります。いっぽう、地方の少年・雪哉は、若宮に仕えることになります。
この二つの物語をそれぞれ描くのが、第1作『烏に単は似合わない』と第2作『烏は主を選ばない』です。同じ時期の出来事を、姫君たちの側と若宮の側から描いています。后選びを追っていたときには見えなかった事情が、雪哉の側へ回るとどう映るのか。一冊を読み終えたあと、もう一冊で知る事情が、最初の物語の見え方にも関わってきます。
衣装や宮殿は平安王朝を思わせますが、舞台は独自の仕組みを持つ異世界です。家の立場や主従関係、個人の願いが絡み、同じ言葉でも誰が誰に伝えるかで意味が変わります。華やかな后選びの向こうで、相手に何を見せ、何を隠すのかをたどる楽しみがあります。
第4作『空棺の烏』で舞台となるのは、武官を目指す少年たちの訓練生活です。宮廷の外にも身分の違いや競争があり、仲間との関係が加わることで、同じ山内でも見える問題が変わってきます。巻を重ねるにつれ、宮廷での勝ち負けだけでは捉えられない人々の暮らしも見えてきます。
この記事にはAmazonアソシエイトの広告リンクが含まれます。Amazonのアソシエイトとして、綴ものは適格販売により収入を得ています。出版社などのリンクは、内容・書誌を確かめるための出典です。
最初の二作を、それぞれの紙の文庫で読む方へ。下は阿部智里著・文春文庫の紙版です。漫画・合本・電子版とは分けて選んでください。
- Amazonで『烏に単は似合わない』文春文庫を探す(紙のISBN検索・広告):2014年6月10日発売/384ページ/ISBN 9784167901189
- Amazonで『烏は主を選ばない』文春文庫を探す(紙のISBN検索・広告):2015年6月10日発売/384ページ/ISBN 9784167903831
読む順番は、本編・外伝を含めた刊行順で
文藝春秋は、本編と外伝を含めた刊行順を勧めています。物語の中の年代で並べ替えず、読者に情報が届けられた順に進める案内です。
- 『烏に単は似合わない』――第一部1
- 『烏は主を選ばない』――第一部2
- 『黄金の烏』――第一部3
- 『空棺の烏』――第一部4
- 『玉依姫』――第一部5
- 『弥栄の烏』――第一部6・第一部完結
- 『烏百花 蛍の章』――外伝
- 『楽園の烏』――第二部1
- 『烏百花 白百合の章』――外伝
- 『追憶の烏』――第二部2
- 『烏の緑羽』――第二部3
- 『望月の烏』――第二部4
- 『亡霊の烏』――第二部5
ここまでが刊行済みの13冊で、『玉座の烏』上下巻はこれに続く予定作です。文庫版・電子書籍版・漫画版を、それぞれ別の物語として数えた一覧ではありません。題名に「烏」が入らない『玉依姫』も第一部の5作目なので、購入や図書館の貸出予約で抜かさないようにしたい一冊です。
『蛍の章』は第一部の後、『白百合の章』は『楽園の烏』の後に入ります。本編の中心から少し離れた人の思いや出来事に触れ、その人たちの側へ寄り道できる短編集です。人物を別の角度から知ることも、長い物語を追う楽しみになります。
アニメ『烏は主を選ばない』の続きはどこから?
2024年のアニメは、第1作『烏に単は似合わない』、第2作『烏は主を選ばない』、第3作『黄金の烏』の内容に、外伝の一部も取り入れています。アニメと同じ題名の第2作だけが原作、というわけではありません。
アニメの先の物語を読みたいなら、第4作『空棺の烏』が刊行順の次です。ただし、映像と小説では情報の出し方や構成が違います。姫君たちの物語と雪哉の物語を別々の一冊としてたどりたい方には、第1作から読む方法をおすすめします。
知っている場面でも、どの人物の側から、どの順番で事情を知るかによって、気になる言葉が変わります。原作の語りをたどり直す楽しみも、そこにあります。
『空棺の烏』文庫版の公式紹介・試し読みを見る/『烏は主を選ばない』文庫版の公式紹介を見る
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阿部智里著/紙の文春文庫・2017年6月8日発売/400ページ/ISBN 9784167908638
既読の人へ。最後に読んだ巻から、新旧の「后選び」へ
発売を待つ間に読み返したくなったら、まず最後まで読んだ巻を確かめてみてください。全巻再読を目標にしなくても、自分の読了位置が分かれば、次の一冊を選べます。
第一部まで読んだ方は『烏百花 蛍の章』から『楽園の烏』へ。第二部の途中で止まっている方は、最後に読み終えた巻の終盤を確かめてから、刊行順の次の本へ進むとつながりを思い出しやすくなります。『亡霊の烏』まで読んだ方なら、第二部の始まり『楽園の烏』へ戻る方法もあります。
再読なら、第1作と『望月の烏』の「后選び」も見比べるポイントです。著者は4月3日のコメントで、第1作の登殿の儀を『望月の烏』で新世代版として描いたと説明しています。両作を読み終えていれば、儀式に臨む人たちの立場や、自分が気にかける人物の違いを見比べられます。
先の巻のあらすじを検索する前に、まずは手元の本へ。公式の人物紹介や「復習用まとめ」にも未読部分の展開が含まれることがあるため、何巻までの内容を扱うかを先に確認してください。この再読方法は綴ものからの提案で、著者が指定した予習範囲や新作の展開予想ではありません。
出典・確認日
- 作家の羽休み・第106回『玉座の烏』刊行延期と新予定のお知らせ(2026年10月16日。最新の刊行予定・初稿・分量)
- 『望月の烏』文庫版と本編最終巻の旧刊行案内(2026年4月3日。旧予定との比較)
- 八咫烏シリーズ特設サイト/本編・外伝の刊行順ガイド(巻の区分・刊行順)
- 文藝春秋の各書籍紹介:『烏に単は似合わない』、『烏は主を選ばない』、『空棺の烏』、『烏百花 蛍の章』、『烏百花 白百合の章』(作品紹介・外伝の位置づけ)
- ステラnet・原作者インタビュー/前編(アニメの原作範囲、同じ時間軸の二作を合わせた構成を確認。リンク先は物語の重要な展開に触れるため、未読の方はご注意ください)
発売情報・刊行順・既刊書誌の情報確認日:2026年11月4日(日本時間)。2027年5月・上下巻同時は予定で、700頁超も最終確定頁数ではありません。
具体的な発売日、各巻の価格・ISBN・販売形態・正規予約ページは、確認できていません。続報は出版社の最新案内でご確認ください。
既刊のAmazon案内は紙のISBN検索で、特定の商品ページではありません。検索結果の書名・著者・形式・ISBNを照合し、価格・在庫・販売者・商品の状態は購入時にご確認ください。リンク先の商品画面は未確認です。
アイキャッチは、綴もののオリジナルピクセル画(AI生成)です。実際の書影・著者写真ではありません。
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