温かな灯りに照らされた白紙の本と、霧に包まれた遠くの山並み

【号外】恒川光太郎『幽民奇聞』が第17回山田風太郎賞を受賞|幻の本と証言でたどる「キ」

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恒川光太郎『幽民奇聞(ゆうみんきぶん)』が、第17回山田風太郎賞を受賞しました。KADOKAWAは2026年10月22日に受賞を発表しています。

若い民俗学者が追うのは、文明開化とともに姿を消した集団「キ」。幻の本や人々の証言を手がかりに、その来歴へ近づいていく連作集です。伝承や歴史小説にひかれる方に、受賞を機に紹介したい一冊です。

本書は2026年1月30日発売の既刊です。今回のニュースは新刊発売ではなく、受賞の決定を伝えるもの。第17回山田風太郎賞の公式発表では、選考委員の評価と著者のコメントを読めます。

選考委員の評価と、著者が語った新しい挑戦

山田風太郎賞は、ミステリー、時代小説、SFなどのジャンルを問わず、日本の小説を対象とする賞です。賞の公式サイトにも、今回の受賞が掲載されています。

公式発表によると、選考委員を代表した朝井まかてさんは、民俗学や伝承を通して人間の歴史と営みを描いた点を評価しました。恒川さん自身も、新しい作風を目指して時代小説の要素を強めた挑戦が認められたことを、受賞の喜びとして語っています。

少年と老女、幻の書物。残されたものから来歴へ

出版社が紹介する「鬼婆図探訪」では、明治新政府軍の襲来で家族らを失った二本松藩の少年タキが、「キ」を名乗る一団に救われます。身を寄せた先にいるのは、目の見えない老女・秋姫。二人は衝突しながら、やがて奇妙な絆を育てていきます。

「夢狒々考」では、人の言葉を話す大猿が記したとされる幻の書『狒々日記』をめぐり、回想や証言が重なります。「最後のキ」は、争乱と復讐に満ちた一人の半生を描く物語です。収録作は次の四編。

  • 鬼婆図探訪
  • 夢狒々考
  • 最後のキ
  • すすき野原の先で

幻の書物をめぐる回想や証言と、一人の半生。公式に紹介されている三編だけでも、「キ」に近づく入口の違いが分かります。

伝承と歴史、その両方にひかれる方へ

幻の書物や伝承を扱う設定だけでなく、二本松藩の少年が戦乱の中で身を寄せる先にも「キ」がいます。怪異の不思議さと、時代の変化の中で生きる人々。その両方に関心がある方へ紹介したい連作集です。

本書は「キ」を軸にした小説で、民俗学の研究書や史実を学ぶ資料集とは役割が異なります。また、公式あらすじには戦乱による喪失や復讐も示されています。穏やかな昔話を集めた本を探している方は、こうした内容も知っておくと選びやすくなります。

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『幽民奇聞』の書誌と、購入前の確認

  • 著者:恒川光太郎
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日:2026年1月30日
  • 紙の本:四六判・288ページ
  • 定価:1,980円(税込。出版社掲載価格)
  • ISBN:9784041137239

購入リンクは上記ISBNの紙の単行本です。電子版とは形式が異なります。価格・在庫・販売者・商品の状態は、購入時の画面でご確認ください。

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出典・確認した範囲

情報確認日:2026年10月25日(日本時間)。作品紹介は上記の公式あらすじ・目次と受賞発表をもとに構成し、小説全編の実読レビューではありません。物語の結末には触れていません。

アイキャッチはAI生成によるイメージです。実際の書影や作品の場面を再現したものではありません。

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綴 紫乃

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